大根島の高麗人参とは
大根島は360度、大空をさえぎるものが何もなく、島を渡る海風が人々を大らかな気持ちに誘ってくれる。中でも、傾斜した屋根が連なる高麗人参畑で、人参の収穫を終えたころの秋から春にかけての晴れた日には、澄んだ空気に秀峰大山の雄姿が中海に映え、たいへん明媚な景色となる。そしてこの地で人参を栽培している農家の中には、昔から大切に使われてきた道具類を今もきちんと整然と並べ、掘り起こした人参を洗っていた刷毛なども保存されている農家もある。練炭を焚いた乾燥場では、蒸された人参はザルにきれいに並べられ、加工される。この人参の栽培は、種を植えてから収穫までに実に6年もの歳月を要し、その後、同じ畑では20年もの間、収穫をすることができないといわれている。それほど高麗人参は、土の中の多くのミネラルや栄養分を吸収して成長するのである。そのため栽培農家は年毎にちがう畑を利用するため、畑を複数所有している。畑ごとの作業の時期を覚えるのも大変な作業である。そしてその年、その年の天候で、6年も大事に育ててきた人参の出来具合が変わってくるため、台風や強い日差しなど、人参の嫌う天候から守るため、こまめに小屋を直したり、水はけをよくしたりと、じゅうぶんに手をかけることが大切であるといわれている。高麗人参の栽培は、まず土作りから始まるといわれており、大根島は12万年もの昔、大山が火山爆発したときに隆起してできた島であり、この地の土壌は、火山灰独特の性質を持っているのである。そして、中海で海草の藻が捕れていたころには、肥やしにするため、その藻を土中に埋め込んでいたという。そのためこの島の土はミネラルが豊富で肥えており、高品質の高麗人参が収穫されるのである。