出雲そば
出雲そばは一目で見て分かるとおり、麺は色黒をしている。この色は、玄そばといわれるそばの殻つきの挽きぐるみのそば粉を用いているからである。そば粉は殻をとったそばの実を、中心から外側に向かって製粉され、皮ごとひいて作られるため一般的なそばと比べて色や香りは濃く、独特の味わいが特徴である。水で冷やしたそばを3段に重ねた割子と言われる丸い漆器の器に盛り、ねぎ、刻みのり、鰹節、おろし大根などの薬味をのせ、そばつゆをかけて食すのが割子そば。また釜揚げそばという、ゆでたそばをそのまま鍋から直に器に取り、ゆで汁、そばつゆ、薬味など加えて食べるそばも人気の食べ方である。毎年11月に行われる神在祭(かみありさい)ではそばの屋台がたち並び、多くの人々が、このあたたかいそばを楽しむ姿が見受けられる。そば粉は殻をとったそばの実を、中心から外側に向かって製粉するのであるが、場所によって一番から四番粉に分類されている。そばの実の中心に近いほど色は白くなり、どの場所の粉を使うかで色や香りや触感が変わってくるのである。出雲そばでは粉の選別をせず、しかも、玄そばのまま製粉(挽きぐるみ)をするため、そばの外側の黒い部分には、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をはじめ、旨みを作る成分が豊富に含まれている。麺が色黒でこしがあり、香りが高く、栄養価にも優れている点は、出雲そばの最大の特徴である。